ウェビナー運営の成功ノウハウを一挙公開!企画からフォローアップまでの構成を徹底解説
テレワークの普及により、新規リード獲得や顧客との関係構築にウェビナーが活用されています。しかし、2020年から日本でウェビナーが激増し、「ウェビナー疲れ」という言葉も耳にするようになりました。マーケティング施策の中でウェビナーの開催を続ける場合、成功させるためには何を改善すればいいのか。皆さまの悩みを解決すべく、Airz Webinarが培ってきた成功ノウハウを一挙公開します!ぜひ今後のウェビナー改善にお役立てください。
目次
ウェビナー企画の前にやるべき、3つの事前準備
ウェビナーの企画を始める前に配信ツールや機材の手配の他に、運営体制の構築が必要です。ここでは、事前準備を「ウェビナー配信ツールの選定」「ウェビナー機材の手配」「運営体制の構築」の3つに分けて解説していきます。1. ウェビナー配信ツールの選定
ウェビナー配信ツールは数多くありますが、これまでのブログでも度々ご紹介しているZoomウェビナー、V-CUBEセミナー、YouTube Live、コクリポがおすすめです。これらは利用者が多く、使い方に関する情報がインターネット上にたくさんあるため、初心者でも安心して使えます。 その中でもZoomウェビナーは独自の映像圧縮技術を持っており、少ない通信量で映像と音声を安定して配信できます。通信量がYouTubeの動画視聴と同等レベルなので、視聴者のパソコンに与える負担も少ない点が魅力です。また、Zoomはオンライン会議で使われる機会が多いため、主催者も視聴者も利用するハードルが高くありません。直感的な操作で誰でも簡単に使えるのがZoomウェビナーの特徴です。 さらにZoomウェビナーはYouTubeと連携できるため、YouTube Liveでウェビナーを同時配信できます。そのため、少人数のウェビナーから1万人規模の大型のウェビナーまで対応可能です。 Zoom以外のおすすめのウェビナー配信ツールについては以下のブログでご紹介しています! →関連ブログ:ウェビナーマーケティングとは?効果を最大化させるためのポイントやおすすめツールを紹介2. ウェビナー機材の手配
ウェビナーはインターネット回線とパソコンさえあれば開催できますが、企業として実施するウェビナーであればクオリティにこだわるべきです。プロの撮影スタッフでなくても扱えて、ウェビナーの完成度を上げる、おすすめ機材と選び方をご紹介します。1) 外部マイク
パソコンに内蔵されているマイクでは、周囲の雑音を拾ってしまいます。単一指向性の外部マイクであれば、雑音を拾いにくく、クリアな音質で講演者の声を届けることができます。マイクには色々な種類がありますが、接続方式がUSBのものを選びましょう。それ以外のものだと、パソコンに直接差し込めなかったり、パソコンに差し込めたとしても音声を認識させるためにはオーディオインターフェースと呼ばれる機材を介在させる必要があったりします。そのため、ウェビナーで使用するマイクは単一指向性のUSB接続のマイクを選ぶといいでしょう。2) 外部カメラ
パソコンに内蔵されているカメラは画角が狭く、講演者が大きく映りすぎて視聴者に圧迫感を与えてしまいます。また、パソコンによってはカメラの質があまりよくありません。外部カメラは画角が広く、画質がいいだけではなく、明るさの自動調整をおこなってくれるものもあります。パソコンの画面に取り付けられるもの、スタンドが必要なものがあるので、使いやすい方を選んでください。3) 照明
室内灯だけでは顔が暗く映って顔色が悪く見えることがあります。自然光は時間や指してくる方向によってとても明るく映りますが、逆光や半逆光の場合は顔に影ができてしまいます。照明があることで画面全体が明るくなり、顔色もよく映ります。照明には四角形のものとリング型のものがありますが、ウェビナーであれば四角形のスタジオ撮影用ライトがおすすめです。 →関連ブログ:ウェビナー機材を取り入れてワンランク上の配信を!おすすめの外部マイクや外部カメラをご紹介3. 運営体制の構築
ウェビナーの開催には大きく分けて3つの役割があります。まずはそれぞれがどのような業務をおこなうか解説していきます。1) 企画
企画には、ウェビナーの企画立案、KPI管理、コンテンツ制作/集客戦略があります。企画担当者はウェビナー開催後に分析と振り返りを実施し、成果を可視化させる役割もあります。- 企画立案:ウェビナー開催の目的、ターゲット、目標を定め、それに合ったコンテンツや集客戦略を考えます。
- KPI管理:企画立案時に定めた目標を達成するために、各種指標の進捗管理をおこないます。具体的には申し込み人数、参加人数、アンケート回答数、参加者の満足度、アポイント獲得数などがウェビナーのKPIとして挙げられます。企画立案と同じ担当者が兼務するケースが多い。
- コンテンツ制作/集客戦略:ウェビナーで発表するコンテンツを作り、発表資料に落とし込みます。目標の人数が集まるように集客戦略を立案し、事務局に指示を出します。
2) 事務局
事務局ではウェビナーの集客、問い合わせ対応、登壇者へなど関係者への事務連絡、当日運営、申し込みページ(LP)/アンケート/司会進行台本などの制作を担当します。アクション量が多いため、複数名で分担しながら進めます。- 集客:既存リードへのセミナー告知、SNS広告、外部メディアのメルマガ広告などを活用した集客を実施。
- 問い合わせ対応:申込者や申込みを検討している方からのお問い合わせ対応。本番中にもウェビナーの視聴トラブルや視聴URLの紛失などの対応があります。
- 申込者への事務連絡:視聴用URLの送付、リマインドメール、サンクスメールなどの送付
- 登壇者への事務連絡:企画担当がアサインした登壇者に対し、ウェビナーURLの送付、リハーサル時間や方法に関するご案内などをします。
- 制作関連:ウェビナー申し込みページ(ウェビナーLP)、各種メール文面、事後アンケート、申し込みページ/メルマガ/SNS広告/プレゼン資料で使用するクリエイティブなどの制作。
- 当日運営:リハーサルと本番のディレクション、各種機材のセッティングと動作確認、ウェビナー配信ツールの操作、トラブルシューティング、撤収作業を担当。規模によっては複数名でおこないます。
- フォローアップ:商談獲得が目標の場合、ウェビナー参加者へフォローアップを実施。事務局が担う場合もあれば、企業によって営業チームが対応することもあります。他チームに対応をお願いする場合は、事前に相談してリソースの確保が必要となります。
3) 登壇者
ウェビナーの登壇者は講演者と司会者がいます。ウェビナー本番の時間だけではなく、事前打ち合わせやリハーサルのためのスケジュール確保が必要です。登壇者や司会者のアサインは企画側で担います。その後の事務連絡は事務局にて対応します。ウェビナー企画からフォローアップ/振り返りまでの流れ
ウェビナーは次のようなプロセスで進んでいきます。ウェビナー開催の流れ
- 企画/KPI設定
- 各種制作/集客
- 参加者や登壇者への連絡/問い合わせ対応
- 当日
- フォローアップ
- 成果の可視化(振り返り)
ウェビナーの企画
ウェビナーの企画には5W1Hのフレームワークを活用すると、企画に必要な要素を抜けもれなく決めることができます。- Why:ウェビナーを開催する目的。ウェビナーの実施を通じて達成したいこと。
- Who:ウェビナーのターゲット。どんなニーズや課題を持っている人に参加してもらいたいのか。
- What:ウェビナーのコンテンツ。どんな情報を発信するのか。その情報は参加者に必要なものなのか。
- When:ウェビナー開催日時。参加者が参加しやすい日時はいつなのか。
- Where:ウェビナー配信方法。どんなプラットフォームからウェビナーを配信するのか。
- How much:ウェビナーの予算。企画、集客、運営にどれくらいの予算を費やせるのか、もしくは目的達成のためにいくら必要なのか。
ウェビナーのKPI設定
Whyで設定した目的に対して、それを達成するためのKPIを設定します。ウェビナーで設定されるKPIには、次のものがあります。- 申し込み人数/率
- 参加人数/率
- アンケート回答数/率
- 参加者の満足度/率
- 商談獲得数/率
- リード獲得単価
- 商談獲得単価
- 配信数
- 開封数/率
- クリック数/率
- コンバージョン/率
- インプレッション(広告が表示された回数)
- インプレッション単価
- リーチ数(配信した広告が何人の人に見られたか)
- クリック数/率
- クリック単価:広告1クリックあたりの単価
ウェビナーの集客
ウェビナーの参加者を集めるためには、集客施策の実施が必要です。ここではよく使われる5つの集客施策を解説していきます。ハウスリスト(既存リード)へのメルマガ/個別メール
メルマガにはHTMLメールとテキストメールがあります。HTMLメールでは、バナーをつけて視覚的にウェビナーのテーマや開催日を訴えることができます。一方で宣伝色が強くなるので、開封しても読まない人が一定数います。そんな方には宣伝色が少ないテキストメールを送り、メールを読んでもらえるようにします。また、どうしても参加してもらいたい方には担当営業からの個別メールが効果的です。送る相手や送信結果を見ながら、HTMLメール、テキストメール、個別メールを使い分けて集客をしましょう。メディア所有のリストへのメルマガ
新規リード獲得には、メディアが所有しているリストへのメルマガ配信が有効です。メディアによってプラン内容は異なりますが、メルマガの内容を自社のウェビナーだけにできるプランや、メディアが定期的に配信しているメルマガのヘッダー、本文、フッターなどでウェビナー告知を数行記載できるプランなどがあります。業界、地域、企業規模、部署、役職などのセグメンテーションができたり、より読者に響くように文章の校正をしてもらえたりするので、効率的にターゲット層へウェビナー情報を届けられます。SNS広告
FacebookやInstagramでウェビナーの告知ができます。広告を配信する際は、それぞれのガイドラインに沿った、クリエイティブの制作が必要です。SNSによって抱えているユーザーの特徴が異なるので、ターゲットにマッチしたSNSを活用しましょう。 【Facebook|世代別の利用率】- 全世代:32.7%
- 30代:48.2%
- 20代:39.3%
- 40代:35.9%
- 全世代:37.8%
- 20代:64%
- 10代:63.4%
- 30代:48.6%
専門メディアへのウェビナー掲載
業界や職種によっては専門メディアがあり、そのメディア上でウェビナー参加者の募集ができます。例えば、EC業界の場合は「ECのミカタ」、人事部向けの場合は「日本の人事部」があります。ターゲットの業界や職種が明確な場合は専門メディアの活用がおすすめです。ウェビナー紹介サイトへの掲載
ウェビナー紹介サイトは、無料で掲載できるタイプと有料で掲載できるタイプがあります。その中でも人気のPeatixは有名企業から個人主催まで幅広いジャンルのウェビナーが掲載されています。Peatixへの掲載は無料で、必要な方には有料の集客サポートがあります。 →集客戦略について相談する(初回無料!)ウェビナー制作物
ウェビナーを開催する際、申し込みページ(LP)、バナー画像やバーチャル背景などのクリエイティブ、プレゼン資料、司会進行台本、事後アンケートなどの制作物があります。ウェビナー申し込みページ(ウェビナーLP)
ウェビナーの開催概要や申込みフォームがついたウェブサイトを申し込みページ、ウェビナーLP(ランディングページ)と呼びます。セミナー申し込みページは自社のウェブサイト内に作る方法と、ウェビナー配信ツールやLP作成ツールを用いて作成する方法があります。自社サイトの編集が難しい場合は後者を活用するか、ウェビナー運営代行会社に依頼して作ってもらいます。クリエイティブ
申し込みページ、SNS広告、メルマガなどに掲載するバナーやウェビナー本番で登壇者が使用するバーチャル背景、セッションとセッションの間に流す動画や幕間などがあります。ウェビナーバナーはフォトショップを使って作るイメージがあるかもしれませんが、最近は商用利用できるおしゃれな写真やイラスト素材がたくさんあるので、パワーポイントでも十分対応できます。また、Canvaという画像編集アプリには、ウェビナーバナーやSNS広告用のテンプレートが多数用意されており、より簡単に各種クリエイティブを作ることが可能です。プレゼン資料
ウェビナーの内容は企画担当者と講演者がすり合わせているため、内容を記載するのは講演者になるパターンが多いです。事務局では、講演者がセミナー資料を作る際に利用するプレゼン資料のテンプレートの作成や講演者から受け取った資料の細かい修正をおこないます。なるべく修正に手間がかからないように、講演者には予め使用してもらいたいフォントの種類や大きさを伝えておくといいでしょう。パソコンだけではなく、スマホからの参加も予想されるため、資料のフォントサイズは24pt以上が見やすいと言われています。司会進行台本
この台本はウェビナーの講演内容ではなく、全体の流れ、タイムライン、司会のセリフが記載されたものです。司会ならびに運営担当が使用します。事後アンケート
参加者の満足度や興味関心を把握するために、ウェビナー終了後にアンケートを実施します。アンケートを作成できるツールとしては、Googleフォーム、Mircrosoft Forms、Survey Monkeyなどがあります。 アンケートの設問は多すぎると回答率が下がってしまいます。しかし、少なすぎるとフォローアップや次回開催を検討などに役立ちません。そのため、アンケート設問を考える上で重要なのは「今後のアクションに役立てられる回答を得られる設問なのか」という点です。 もしも、ウェビナーの開催目的が「見込み客との商談化」なのであれば、アンケートでは商談を希望しているのかどうか、見込み客なのかどうかを判別できる設問を入れましょう。例えば、下記のような設問が考えられます。- 無料相談の希望:希望した場合、商談化させられる可能性が高い
- サービス資料送付の希望:希望した場合、サービスへ関心を持っているため、見込み客である可能性が高い
- ウェビナー参加目的:目的が提供サービスとマッチしている場合、見込み客である可能性が高い
申込者/登壇者への事務連絡
申込者にはウェビナー視聴URLやリマインドメールを送ります。視聴URLは1度だけではなく、前日にも送ることで参加率の向上を期待できます。登壇者にはプレゼン資料、当日の段取り、登壇者用URLの連絡をして、スムーズにウェビナー当日を向かえられるようにします。 →事務局の運営代行を依頼したいウェビナー当日
ウェビナー当日の業務内容は準備、リハーサル、本番、片付けの4つのフェーズに分解できます。それぞれのタイミングでやるべきことを簡潔にまとめました。準備
ウェビナーを配信する場所にパソコンと使用機材をセッティングし、配信を開始できるように準備します。リハーサル
リハーサルモードでウェビナーを立ち上げ、登壇者の接続チェック、マイクやカメラのオンオフ、プレゼン資料の投影、話者の切り替えの確認をおこないます。本番
開始時刻の30分前から参加者がウェビナーに入室できる状態にし、参加者の入室をモニタリングします。参加者が安心できるように、画面には開始時刻が記載されたウェビナーバナーを表示しましょう。入室状況を見ながら、司会やチャットを通じて参加者へ開始時刻と事務的なアナウンスをします。以下はアナウンス内容の一例です。- 本日のウェビナーは◯時より開始いたします。お時間まで今しばらくお待ちください。
- インターネット回線が安定した場所からの参加をお願いいたします。
- ウェビナー終了後にアンケートを送付させていただきます。今後のウェビナー開催の参考のため、アンケートへのご協力をお願いいたします。
- アンケートにご回答いただいた方には、本日のウェビナー資料をプレゼントさせていただきます。
- ウェビナーの録音や撮影はご遠慮下さい。
片付け
ウェビナー配信の停止を確認したら、機材を片付けて、当日の運営が終了します。録画を実施している場合は、ウェビナーの録画処理が完了するまでパソコンの電源を切らないようにしましょう。 →ウェビナーの運営サポートについて相談する(初回無料!)ウェビナー後のフォローアップ
参加者とさらに接点を持ちたい/関係を構築したい場合、ウェビナー後のフォローアップは不可欠です。ウェビナーの目的達成を商談獲得にしている場合は特に重要です!フォローは参加した人だけではなく、欠席者にも必ず実施しましょう。事務局
- サンクスメールの送付(アンケートURLを記載する)
- 欠席者への連絡(関連セミナー、個別相談、アーカイブ配信などのご案内)
- 申し込みリストへ出欠情報とアンケート回答を紐付ける
- アンケートの集計
営業担当
- アンケートや出欠状況を確認し、フォローコールを実施
- 数回荷電しても繋がらない場合はメールを送付